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    鋼製器具の管理に

    鋼製器具はトレーサビリティが重要な医療機器の一つです。
    しかしその特性上、個体識別管理が困難な為、対策が求められています。

     ※ここで示す鋼製器具はリユーザブル鋼製器具を対象としています。

     すでにアメリカにおいては鋼製器具が該当するクラス1医療機器にUDI(機器固有識別)を刻印することが義務化。ヨーロッパにおいては2027年が対応期限となっており、アジア圏においても随時法制化が進んでおります。

     国内においては既に標準的に刻印対応するメーカも存在しておりますが2023年時点で鋼製器具等に対するUDI法制化に関する詳細な基準は不明ですが、容器等への符号等の記載については既に規定されております。
     なお、対象外の機器に鋼製器具は含まれておりませんので少なくとも包装には符号等を記載する必要があります。 

     当システムの機器管理はマスタレスの為、鋼製器具台帳を簡単に取込み管理することが可能です。
     ※鋼製器具管理専用に独立した機能ではありませんのでご注意ください。

    鋼製器具管理システムは高価では?

    鋼製器具管理システムは一貫したシステムとハードウエア構成の為に高価となります。

    当システムでは鋼製器具以外の機器管理と共にお客様のニーズに応じた項目を選択して管理することができるため安価な価格設定が可能です。

    ハードウェアについて専用品は設定しておりませんのでニーズに応じた物品をご選択いただけます。
    ※基本的にハードウェアは、お客様にてご用意いただいておりますがご不明な点等ございましたらサポートは可能です。

    どんな項目が管理できるの?

    • コンテナ単位の管理 (鋼製器具個々に刻印する前段階の管理方法です)
    • 個体情報管理 (鋼製器具個々に刻印が必要です)
    • 修理履歴、点検履歴管理(点検や研磨などの履歴管理)
    • 貸出管理 (貸出管理機能を利用して手術払出管理としています)
    • 簡易セット管理 (滅菌コンテナなどの内容物のみを管理する簡易機能です)
    • セット管理 (セット内棚卸、セット一括貸出、再セット支援)←開発検討中

    鋼製器具の個体管理をせずに滅菌コンテナなどのセット単位のみで簡易的な管理手法も可能です。

    個別管理とコンテナ管理

    鋼製器具の管理方法は主に2段階あります。

    個別管理

    鋼製器具単位で管理する方法です。鋼製器具個々に個体識別用のシンボル等を必要とします。
    そのため導入する為に工程が煩雑となります。

    コンテナ単位で管理

    滅菌コンテナには通常〇〇セットのように決まった鋼製器具をセットしておく場合があります。
    セット内容は別途管理した上でコンテナの利用状況を管理する簡易的な方法です。

    一般的な鋼製器具管理の流れ(コンテナ単位)

    滅菌期限を管理することはできないの?

    滅菌期限自体を直接管理する機能はありません。
     ※当システムでは滅菌したであろう凡その日付を表示することで補助的に管理しております。

    Q&A

    刻印のサンプル画像
    UDIとは?

    機器固有識別の略です。

    刻印有=UDIではありません。個体識別が可能である必要があります。

    基本的にはGS1規格により企業・商品・製造番号などが識別できる必要があります。

    UDIはどんな形状ですか?

    主流はレーザー刻印による2次元バーコード(DataMatrix表示)です

    その他にドットピーンやICタグなどの種類があります。

    左図は余白を含めて約5mm角のUDIとなります。

    ※刻印内容は SI-P00002 ですのでUDIで無いことがわかります。

    素材に直接刻印するDPM(ダイレクトパーツマーキング)と呼ばれる手法で表示され耐熱・耐摩耗性に優れます。

    ※左図はサンプルの為UDIではなく形状見本です。

    刻印は消えないの?

    刻印はプリントではなくデボス加工(+変色の場合もあり)のため、それ自体が消えることはありません。しかし鋼製器具自体の摩耗によって刻印は結果的に薄くなり、最終的には消えることがあります。

    基本的には再刻印を必要としますが、対策として摩耗しにくい箇所に別途刻印を施しておくことも有用性があります。

    鋼製器具は耐用期間への配慮が必要であり、その性能を維持できているか判断する為にも定期的なメンテナンスを必要とします。メンテナンスの際に再刻印を依頼することでUDIを維持することが可能となります。

    UDIはGS1規格でなければいけないの?

    正式なUDIは製造販売業者により付与されるものです。日本においては法制化前であるため正式な規格は明示されていません。GS1となった場合はGS1規格により少なくとも企業・商品・製造番号などが確認できる必要があります。

    しかし既に保有されている鋼製器具に対して刻印を追加する場合はその限りではありません。管理システムやDBを参照することができる様に固有のIDをDPMで付与することで個体識別が可能であれば問題はありません。この場合はUDIではなく単なる刻印による識別コード(以下刻印といいます)となります。

    UDIはRFIDではできないの?

    理論上不可能ではありません。
    しかし鋼製器具の特性上、困難かつ高コストかつ低メリットとなります。
    ※RFIDは読取精度100%は現実的に困難であり、読取不能を判定することができません。

    UDIではありませんが、後からタグをつける方法も存在します。
    こちらに関しても一部の手法は医療機器の改造にあたり、改造に当たらない方法では経時的にタグが外れてしまうことがあります。

    UDI 医療機器向けの国際的なルール
    DPM 素材に直接刻印を施す技術
    GS1 バーコード規格の1つ
    RFID ICチップと電波を用いた自動認識技術の1つ


    UDIが読み取れません・・

    反射の為、刻印が見えません

    一般的なバーコードリーダーでは読み取りにくい、又は読み取れません。

    DPMは以下の様な特徴があるため、読取精度確保にはDPM対応のバーコードリーダーが必要です。

    DPMの主な特徴

     〇極小サイズであることが多い(鋼製器具管理においては数mm角)
     〇コントラストが低い
     〇素材の金属が光を反射する(左図参照)
      などなど

    DPM対応のバーコードリーダーについて指定の機種等はありません。
    ※対象DPMの仕様に合った物を選択いただく必要があります。
    DPMの仕様は各メーカー様にお問い合わせください。

    特殊なバーコードリーダーなの?

    主に工業用のバーコードリーダーが必要になります。

    以下の要素を考慮したバーコードリーダーを選択します。

    • UDIのバーコードシンボルの規格
    • UDIのサイズおよび仕様
    • 鋼製器具のサイズ・素材・表面加工

    ※価格帯は十万円程度~数百万円程度となります。

    価格差が大きいのは何故なの?

    主な価格差は読取方式、読取精度、読取速度などによります。

    一般的なバーコードリーダーでは約5㎜角のDPMも読取ることは困難です。
    ある程度の仕様を求めると少なくとも十万円以上の価格帯となります。

    左図の様に約2㎜角程度の金属板に対するDPMを高精度で読み取る必要がある場合は更に高額なバーコードリーダーが必要となります。


    そもそも鋼製器具管理は必要なの?

    鋼製器具は「医療機器」です。管理は必須です。

    鋼製器具ならではの管理上の特色もあります。

    感染対策

    多数患者の体液・組織に直接触れることで二次感染の原因となり得るのが鋼製器具です。特にハイリスク手技によるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)二次感染対策は非常に重要な管理項目であり、かつ長期の潜伏期間を有するため、感染が確認された際は長期間の追跡調査が必要となります。

    詳しくは厚生労働省の通知、CJD感染予防・プリオン病感染予防などのガイドラインをご参照ください。

    ※鋼製器具は基本的に医療機器クラス分類において最もリスクが低いとされるクラス1に分類されますが、このクラス分類は医療機器に不具合が生じた場合の人体への影響度を分類しています。感染に関するリスクを分類したものではありません。

    機器管理

    鋼製器具は医療機器ですので耐用期間が存在します。購入後の経過年数・使用回数・修理履歴などの履歴が不明な物を使用し続けること自体にリスクが存在します。

    細かいひび割れ、剪刃やクーパーの切れ味劣化など評価しにくいものも、その経歴が判明することにより対策検討の1基準として役立ちます。

    手術中Drより「このクーパー切れない」などのコメントが聞かれることがあるかと思います。こういった評価は個体識別が可能であれば不具合やコメントなどを記録することで定量化や対策を容易にします。小さなことですが鋼製器具は圧倒的に数が多いため対策をすることでスムーズな手術進行の一助となります。


    鋼製器具管理に必要な準備

    準備前に

    鋼製器具は大量に保有されているかと思われますが、ほとんど使用しないもの、性能基準を満たしていないもの等が少なからず存在するものです。まずは現状の鋼製器具保有状況を把握・整理をすることをお勧めいたします。

    STEP
    各鋼製器具のUDI確認

    購入時点でUDIが表示されていない場合は別途刻印が必要となります。

    バーコード刻印がある=UDIにならないことをご注意ください。

    マイクロ器具など、UDI及び刻印表示部が確保できない鋼製器具も一部存在しますがその場合はカラーテープなど別途運用を検討する必要があります。

    滅菌コンテナなど大型の物はラベルテープなどでバーコードを表示することが可能です。(高圧蒸気滅菌にある程度耐性のあるテープを利用します)

    STEP
    UDI読取用バーコードの選定

    保有されている鋼製器具のUDI及び刻印が読み込める仕様のバーコードリーダーを選定します。

    ※主な仕様
    DPM対応 2次元シンボル対応 データマトリックス GS1 各対応

    STEP
    鋼製器具の台帳作成

    各鋼製器具に名称などを設定します。

    システム上で新規登録、またはExcelデータによる一括インポートにより登録します。

    名称以外のステータスは必要に応じて設定ください。

    STEP
    管理方法の運用検討

    運用プロトコルを検討します。ご不明な点はご相談ください。

    トレーサビリティ

    鋼製器具個体ごとに情報を管理できます。

     〇使用年数(購入時期が判明可能なもの)
     〇修理履歴(研磨調整など)
     〇点検履歴(刃こぼれや変形の有無など)
     〇使用履歴など(現在は一部のみ可能)

    開発検討中の機能(詳細は未定です)
    ※鋼製器具専用管理機能ではありません。貸出・点検管理機能などを組み合わせて管理します。
    ※貸出処理を払出処理として利用しています。

    滅菌コンテナ等の内容物などを管理することができます。

     〇セット組マスタ管理
     〇セット組の一括払出
     〇セット組単位の棚卸