資産管理と医療機器管理
資産の単位と医療機器の単位の違いは?
明確な違いでは無く各ご施設様の考え方・捉え方によります。
資産単位の例
- 購入単位における資産管理台帳の単位
- その他
医療機器単位の例
- 機器個体の単位(完全なシリアル単位とはならない)
- システム単位
- その他特性に合わせた単位
資産単位の例
例えば生体情報モニタを4台1度に購入します。
これらを一式として資産管理上の1件とします。
「生体情報モニタ一式 取得価額150万円」 の様な表記となります。
この場合は生体情報モニタ1式の内容としてどの様なものが含まれているか詳細不明です。
管理番号 | 資産名称 | 資産種別 | 取得年月日 | 取得価額 | 配置 |
1289747 | 生体情報モニタ一式 | 固定資産 | 2021/2/14 | 1,500,000 | 〇〇 |
いわゆる医療機器の管理には不向きです。
医療機器単位の例
上記と同様に生体情報モニタを4台1度に購入します。
これらを個別に管理する為、医療機器管理上では4件とします。
表記例
管理No | 機器名称 | 型式 | 製造番号 | 購入年月日 | 配置 |
00001 | 生体情報モニタ | 〇〇型 | 65421 | 2021/2/14 | A病棟 |
00002 | 生体情報モニタ | △〇型 | 6545 | 2021/2/14 | B病棟 |
00003 | 生体情報モニタ | ×〇型 | 9895 | 2021/2/14 | 外来 |
00004 | 生体情報モニタ | △〇型 | 9984 | 2021/2/14 | A病棟 |
この場合は製造番号等を含む個体識別が可能な為、詳細な情報管理が可能です。
何故、医療機器単位の管理が必要なのでしょうか?
資産管理と医療機器管理は目的が大きく違います。
資産管理は大別して流動資産と固定資産があります。
いずれも金銭や税務など経理に関する管理であり医療機器を直接的に管理する為に構築されてはいません。
以下に医療機器の管理に必要な項目を抜粋します。
- 医療機器を機種別に何台保有し、いつ購入したかを個体識別が可能な状態で管理する
- 現在の医療機器保有状態を適宜反映する(配置状況や廃棄登録など)
- 各医療機器の修理や点検履歴を管理する
- 各医療機器の保守点検計画を管理する
これらは資産単位の例で示した情報では管理できないことが多くみられます。
詳細は各ご施設の医療機器安全管理責任者の方にご確認ください。
※病院等の管理者は医療機器安全管理責任者を配置する義務があります。
医療機器単位の課題点は?
医療機器単位と言っても全てを個体管理すると大変煩雑になります。
明確な規定は無いため、各ご施設様にて基準を策定されることをお勧めします。
例えばこんなこと
仮に生体情報モニタを詳細に個体管理するとどうなるでしょうか・・・
- 生体情報モニタ本体
- 医用テレメータ送信機
- 各モジュール(ECGや血圧計など)
- 架台
- 中継ケーブル
- パルスオキシメーターフィンガープローブ
- ECGケーブル
- 血圧計マンシェット
製品としてはバラすとこのように多数の構成品が見受けられます。
実際の管理ではこれらを生体情報モニタ1台として管理するケースが多いと思われます。
また、価格帯や周辺機器という扱いでECGケーブルや血圧計マンシェットなどは劣化の際に消耗品交換や修理扱いとなるケースが多いと思われます。
采配は各ご施設様の管理基準によりますので正解はありません。
資産管理台帳で医療機器管理はできないの?
医療機器を管理する上で最低限管理すべき項目を満たすことできれば可能性はあります。
管理項目例の一部
- 医療機器の名称・品番・機種など
- 個別の製造番号
- 購入日・購入金額・購入元
- 使用及び廃棄などの現在状況
- 管理部課や配置状況
- 個別の修理履歴
- 個別の点検履歴
- 添付文書管理(現在は表記が違います)
詳細は国や県・自治体などの正式文書等をご確認ください
医療機器の取り扱いや管理には最終的には法律に基づきます。
解釈や最終判断は各ご施設様にて決定していただくものとなります。